無題2

僕の職業はコンビニ店員です。ってこの前、ケータイショップの派手なネイルした派手な鷲鼻の女に言ったら、「それではご職業の欄のフリーターに丸をつけてください」と言われた。

僕はコンビニ店員って言っても正社員やっておるねん、なんでアルバイトって決めつけられなあかんねんとムッとした。それをそのまま鷲鼻ネイルに伝えたら「あー失礼しました。それではサラリーマンのところに丸してください」と鷲鼻が言うから僕は「いや、僕はアルバイトです」と言ってフリーターのところに丸をつけた。

僕はコンビニ店員という仕事に誇りを持っている。コンビニは流通の最たるものだ。なんたってコンビニエンスだ。快適なんだ。

快適であるというのはいいことだ。人は快適に弱い。快適は甘く体に悪い。

恐らく三日三晩快適だけを食べ続けていると何某かの病気に罹り、病院に行けば生活習慣に問題があると医者に言われ、体の隅々まで調べられた挙句、ふいに、してやったりのドヤ顔で「あなた、快適を、やってますね?」と口に苦い良薬を処方されるだろう。

とにかく、コンビニエンスストアとは中毒のようで人のだらしなさにつけ込んだあくどい商売だ。なんだか、腹が立ってきた。

 

あくる日、試しに店長をぶん殴ってみたら藤木の物真似をなぞるように店長の目が大小して、平たくなったところで「君、クビね」と言われた。いや、なんでやねん。

バイトを辞めたら食べる量が増えた。理にかなわん。しかも、尋常じゃないほど増えた。モンスター級。僕は自分が化け物になったような気持ちで、クビんなったコンビニに裏口から入って通用口の脇に置いてある廃棄弁当を持ち帰っていくつもバリバリ食べた。