この気持ちに慣れるまで

コンタクトを取って、ゴミ箱へ捨てる。瞼から覗く視界の半分はぼやけていて、もう半分は何も持っていない自分が映りこんでいる。死にたいなと思う。死にたい。死にたいと思っていることを誰にも言えない。もう片方も取って眼鏡をかける。死にたいという気持ちは消え失せる。さっきまで左目の上に乗っかっていた薄い膜を指先の間でこねくり回す。生きたい?涙が出る。雨が降るみたいに涙が出て、それでおわり。